UX成熟度の低い組織におけるユーザーリサーチャーの調査方法

この記事では、「UX 成熟度が低い」企業が直面している課題と、組織、製品チーム、研究者レベルでこれらの課題に対処して UX 成熟度を向上させる方法について詳しく説明します。

1. 「UX成熟度が低い」企業とはどのような企業でしょうか？

2006 年に、Jakob Nielsen は、エンタープライズ UX 成熟度と呼ばれる最も初期の UX 成熟度モデルを作成しました。それ以来、ニールセン・ノーマン・カンパニー（NN/g）はモデルを更新し、ユーザーエクスペリエンスを 0 からベストプラクティスまでの 6 つの主要な段階に名付けました。

一般的に言えば、さまざまな企業がこれらの段階に基づいてパフォーマンスを測定することができます。成熟度の低い組織は、不在段階と新興段階の間の最初の 3 つの段階のどこかにあると考えることができます。

ニールセン・ノーマンの UX 成熟度モデルは UX デザインプロセス全体をカバーしていますが、この記事では特に UX リサーチについて説明します。

あなたの会社がユーザーリサーチャーを雇用しているのであれば、少なくともその会社はユーザーリサーチをある程度認識していることになります。膨大な仕事量を考慮すると、このタイプの会社は少なくとも「新興企業」に分類できます。

ニールセン・ノーマンは、初期成熟段階とは「企業の UX は存在するが、その取り組みに一貫性がなく非効率的である」段階であると述べています。

UX の成熟度と開発を評価する上で重要なのは、戦略、文化、プロセス、成果という 4 つの重要な要素を理解することです。 UX の成熟度を高めたい場合は、これらすべての要素に対処する必要があります。

企業の UX 文化、つまりユーザー エクスペリエンスに関する知識と姿勢によって、企業があなたの仕事に対してどのように反応するかが決まります。これは変更するのが最も難しい場合が多く、日常業務で最もよく遭遇するものです。

新興企業で UXR リーダーが遭遇する可能性のあるシナリオのいくつかを、特に研究に関する知識と姿勢に関連して見てみましょう。これらの状況は、組織レベル、製品チーム レベル、個々の研究者レベルなど、さまざまな観点から見ることができます。

2. さまざまなレベルにおける態度と課題

1. 組織レベル：UXRの価値に対する不信

「[他の製品チーム] のような研究者は必要ありません。私たちはすでに、顧客が当社の機能をどのように使用しているかについての専門家です。」という声が聞こえるかもしれません。

研究リーダーシップの課題: 研究によって単一の製品だけでなく、ユーザー グループ全体に洞察を提供できることを強調する方法を見つけます。プロダクト マネージャーの洞察を無理やり覆したり競合したりするのではなく、自分の洞察を活用してプロダクト マネージャーの決定を補完します。

2. 製品チームレベル: UXRを使用して製品のアイデアを検証または微調整する

「私の考えが正しいことを証明するには、調査を行う必要があります。」という声が聞こえるかもしれません。

研究リーダーシップの課題: 評価的な UX 研究プロジェクトを使用して、知識のギャップや偏りを明らかにし、ユーザー研究から得られた洞察が全体的な戦略と優先順位にどのように役立つかを強調します。

3. 研究者レベル: 会社のUX成熟度を向上させる方法が分からない

「私たちは、PM が指示した製品ロードマップに従っているだけです。」と聞かれるかもしれません。

研究リーダーシップの課題: 研究に対するあなたの見解を研究者と話し合い、研究者が研究の可能性を探求するよう促し、あなたの期待を明確にし、他の先進的な UX 研究者と研究コミュニティを構築します。

これらの課題にどう対処するか

1. 企業レベルでユーザーエクスペリエンスの成熟度を向上させる方法

研究者は、企業レベルで自分たちの研究に対する反応がまちまちであることに気づくことがよくあります。ある製品チームは研究の洞察を受け入れるかもしれませんが、別のチームはそれを無視するかもしれません。研究者が苦労するのは、製品および会社のリーダーが、製品研究の実践を完全に実施するための指導や奨励に十分な研究の支持を示さないためです。

これに対処する 1 つの方法は、調査では、個々の製品や製品チームに完全に焦点を当てるのではなく、ユーザー グループに焦点を当てた方が、最良の洞察が得られるということを伝えることです。そして、これらの洞察は、多くの場合、複数の製品チーム（または会社全体）に関連します。

つまり、研究者は個々の研究プロジェクトを再検討し、特定の製品だけでなくユーザー グループに関連する洞察を強調する必要があります。このように洞察を共有することで、製品マネージャーの顧客に関する既存の理解を補足し、自分の仕事が既存の情報にどのように追加されるかを示しながら、製品チーム全体で共通の理解を構築できます。

2. 製品チームレベルでユーザーエクスペリエンスの成熟度を向上させる

特定の製品チームと緊密に連携していて、製品マネージャーが、リリースしたばかりの機能を検証するにはリサーチが最善の方法であると考えているとします。彼らにとって、調査は、ユーザーや顧客が機能に対してどのように反応するかについての洞察を提供し、その機能を反復するかどうか、またどのように反復するかを決定するのに役立ちます。

これはまさに、ユーザー研究者が豊富なツールボックスで提供するサービスです。しかし、研究を開発と設計検証への貢献としてのみ捉える場合、パートナーは多くの重要な情報を見逃すことになります。場合によっては、ユーザーの洞察は、ビジョンや戦略の作成と優先順位付けに使用したときに最も輝き、最も永続的な影響を与えることがあります。

ユーザビリティ テストの実施サイクルに陥り、戦略的な調査プロジェクトに取り組むことは決してできないだろうと落胆していませんか?実際、ユーザビリティ テストによって顧客のニーズや行動に関する洞察も得られるということを人々は認識していないかもしれません。これらの追加の洞察を追跡し、これらの発見を共有する適切なタイミングを見つけて、より大きな目標の達成に貢献します。

パートナーは気づいていないかもしれませんが、あなたの取り組みによって、パートナーの仕事だけでなくあなたの仕事も改善される可能性があります。この勢いを利用して、製品開発プロセスの初期段階への研究の進展を促進することができます。

3. 研究者レベルでのユーザーエクスペリエンスの成熟度を向上させる

UX 成熟度の低さは、組織レベルまたは製品チームレベルで問題となる可能性がありますが、UX リサーチ チーム内でも問題となる可能性があります。研究者の中には、単に成熟度の低い組織で働くことに慣れていて、自分の研究をどのように進めればよいのかを知らない、または望んでいない人もいるかもしれません。

これは、UX の成熟度を高める上で最も難しい側面であると言えます。なぜなら、これは自分のチーム内で発生するからです。これは、より広範な管理上の課題の遺産に関連しています。チームには、ユーザー調査の可能性を示す積極的なガイダンスが必要です。

ビジョンを策定する際には、既存のチームを巻き込み、全員が目標を支持していることを確認する必要があります。研究者やそのニーズ、そして主要な協力者のニーズに耳を傾け、助言し、必要に応じて介入して、研究に関する彼らの仮定に異議を唱える必要があります。

最後に、組織、製品、研究者のどのレベルで文化の変革に取り組んでいる場合でも、意思決定の場に参加してください。組織文化を変えることは困難であり、UXR リーダーは、チームのリーダーシップが研究によってもたらされた貢献を認識し、それを内面化するようにする必要があります。これは組織の成熟度を高める最も早い方法です。

この記事はもともと Dovetail で公開されたもので、Janelle Ward Insights の主席コンサルタントである Janelle Ward によって執筆されました。 Janelle は、デジタル製品企業で、創設リーダーとして、また既存の研究チームのトレーニングと拡大を担当するマネージャーとして、UX 研究を主導してきました。ジャネルは心理学とデジタルコミュニケーションのバックグラウンドを持ち、ユーザーエクスペリエンス研究に移る前は 10 年間助教授として働いていました。

著者: Janelle Ward;翻訳者：黄素塵

出典: WeChat 公開アカウント: Peron User Research (ID: LongRuiGuanTong)